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騎乗位?

フォックスの騎乗位?えろ↓つづきはこちらに引っ込めてます。



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[つづきはこちら]
叶わない願い4イメージ絵



小説のいっき更新は久しぶりでした。
この「叶わない願い」は、旧サイトの時に一度書いたものになります。
それを今回大幅に加筆修正してみました。データが重すぎて4つに分けなければアップできませんでした申し訳ありません;;次書く小説はもっとすっきりまとめたいヒーン
アップ順によってここを先にご覧になられた方へ……
今回のウルフォ小説はウルフがフォックスを強●したうえに監禁し、むくわれないバッドエンド物となっております。ひたすらウルフがフォックスを可愛そうな目に合わせてる感じです。そう言ったものが苦手な方は、お気を付け下さい。

そしてもうお読みになってくださいました皆様、お疲れさまでした。
自分はこうゆうウルフォも大好きです。えへへ怒っちゃイヤン(殴)
なんだかんだいってこの話の2人もラブラブ(?)になっていましたでしょうか…わからぬ。
旧サイトで書いていた小説の方も、大体加筆修正が終わってきましたので、じわじわ更新していきたいです。
叶わない願い3





「んっう…」
息をつぐのも億劫だった。いったいどれくらい嬲られ続けているのだろう。熱が体を冒している。
仰向けに寝転がされ、腰の下にクッションを挟まれたままフォックスの両手は軽く縛られベッドボードにくくりつけられている。
足を大きく開かされたフォックスの小さな蕾に埋め込まれていたのは、無神経で機械的な振動を繰り返す玩具だった。
「クク」
ウルフが指を伸ばしてその器具を軽く動かす。
「は、ぁ…ぁ」
フォックスは顎をのけ反らせた。
「ココか?」
憎らしいほど正確にフォックスの感じる部分を探り当て内部の突起をあてがう。じんわりと押しつけられ、振動が微妙に変化した。
「ひ…」
カチ…ッ
その小さな音がすると同時に、細かい震えを見せていた玩具が叩くような強い震えに変化する。
フォックスは全身を硬直させた。その刺激からわが身を守ろうと。
だが、悔しい事に自分の体は、その振動から愉悦がもたらされる事を知っていて、フォックスの意思とは関係なくきゅぅうっと肉の壁を引き絞り始める。
ウルフに犯されるようになってから覚えこまされた快感。
「あ、あ、あぁああっ」
振動に合わせて自分の声がもれる。なんと恥知らずな声を出しているのだろう。ウルフが笑いながら言ってくる。
「ハ、テメェのその声、…そそるぜ」
…ウルフは何を考えているのだろう。
これまで媚薬を使った交尾ばかりだったのに、今日はそれを使ってこなかった。
今までウルフは、フォックスを昇天させ、快楽で屈服させようと、ためらいもなく媚薬を使ってきたのに。
フォックスは唇を噛んだ。ヒクヒクと勝手な痙攣が太股に走り、射精感がこみあげてくる。
「も、もうやめ…」
フォックスは切れ切れにもらした。ウルフはフォックスの反応が面白いと言った風に、体内に埋め込んだ器具で狙いすました場所をぎゅうぎゅうと押してくる。
「ひ、ぃ、いっ…ッ」
「やめろ?お願いですから、もっとしてください、の間違いだろ」
軽い笑いが投げかけられる。
「いい恰好だな」
つかんだ器具を動かし、フォックスの下肢をいたぶりはじめる。
「…はぁ、…っ」
ウルフの指で操られた器具は、不躾な振動で、ことさら執拗にフォックスの肉の一点を穿つ。ゆっくり、ゆっくりと。
やがて、くりくりと変化していたそこが脈打ち始める。
「…く、うぅぅ」
フォックスはわずかに残った理性で歯を食いしばった。体はがくがくと揺れ、嵐の中の船のようだ。きんと硬く反り返った勃起が首を振っている。
乱暴な器具に蹂躙されている後ろからは、体の奥を叩くような重い快感。苦痛でさえあった。
いつまで自分を保っていられるだろう…ウルフが手を緩めるはずもない。絶望的な気がした。
「言ってみろ」
声音だけは優しいウルフの囁きに、頭が撹乱させられる。
「……な、に…」
「俺に犯られるのが死ぬほどイイと、言ってみろ」
「いや、だ」
「強情な奴だな」
ずるり、と、内臓のすべてを引きずり出されたかのような衝撃で後ろの器具が引き抜かれる。
ぬぽっ…。
器具を引き抜けば、粘膜は名残を惜しむように絡んで、赤く色づいた内部を露出させた。
フォックスは息を止め、押し流される意識をなんとか保とうとしているらしい。
ウルフはその場所にそっと触れた。
「く、ふぅ…」
器具による強すぎる刺激に飽きていたに違いなかった。その証拠に、荒々しい振動のかわりに与えられた指先に、フォックスの肉はとろけるように絡んだ。
「…いい反応だ」
指先で軽く音を立てながら嬲る。
「はぁ…ぁ、…ぁぁ」
フォックスは、それでも快楽に堕ちない気でいるらしい。自由にならない身をよじって、体を縮こまらせて逃げようとする。
「逃げんな。…悦くしてやる」
硬く反り返ったフォックスの勃起が、触れて欲しいのか首を振っている。だがウルフはそこに触れる気はなかった。
「…ぁ」
フォックスの内部、ふくれたそこをじんわりと指の腹で押してやった。

イかせる寸前で取り上げて、イかせない。

焦らされ、嬲られ、フォックスは自分を失う一歩手前だ。
一方ウルフは冷静なままだ。狂っていく自分を観察するのはさも面白いだろう。
それを、悔しい、憎らしいと呪いながらも、ウルフの蛮行をフォックスはなぜか拒絶できないでいるのだ。
全身がとろけるような解放感。それは勝負とはまた違う、生きているからこそ感じられる興奮と愉悦をフォックスへ強制的に与えた。
勝ち誇ったような顔でウルフは言う。
「欲しいんだろ」
フォックスは首を横にふる。
「素直になってみろ」
指先で、勃起のてっぺんをはじかれる、大きな手で包まれる。解放させる気がないむず痒いような愛撫。
相変わらずフォックスの中にはウルフの指が入りこんでいる。フォックスの快感を誘い、焦らすようにある一点で留まったまま。
「は、ぁ…っ」
ウルフの目を見る。自身の目に哀願をにじませてもダメだった。はっきりと言葉にしなければ、ウルフは納得しないのだ。
「…もう…ウル…」
「ダメだな」
即座に却下される。
「テメェがイく場所はどこだ」
ぶるるっとフォックスは震えた。
「尻穴でイくことを教えてやっただろう」
くっと曲がった指が、さらにフォックスの裏を押す。

裏側。

そう、裏側を思う存分嬲って欲しいと。
なんと浅ましい願いを持たされるようになったのだろう、この体は。
不意にぞっとする。その願いを口にしてしまったらどうなるのか。
このオレが。
しかも終生のライバルと定めた男に。
その男はどうだ。氷のように冷えた目で、爛れた快感に打ち震えている自分を見下ろしているのだ。

「どうして欲しいか言え」
耳元で囁かれる熱い声は酷く慈悲にあふれていて、思わず願いを口にしてしまいそうだった。
体はどこもかしこも脈打って自由にならない。
拡げさせた足をウルフの指がスッと撫で上げる。
フォックスは顎をのけ反らせるようにしてベッドへ後頭部を擦りつけた。
ぞくぞくと快感が皮膚から脳髄にじかに伝わってくる。
よだれが、口の端から垂れていく。閉じるのも億劫だった。
「おら…」
ウルフの指がフォックスの裏側をコリコリと擦りたててくる。
「あ!はぁ…あ、…ぁあ」
滲んだ視界。ウルフが自分を覗き込んでいる。
そのすました赤い目の底に、情欲の焔がある事に気がつく。
ふふ……お前だって。すました顔して苦しいくせに。
そんな皮肉で溜飲を下げる。
覗き込んでいるウルフの前がフォックスの腰に触れていた。
熱く硬く、脈打っている。フォックスはその硬いものに腰を擦りつけた。限界だった。
「たの…ここに…、ウル」
フォックスはもう、言葉さえまともに話せなくなっていた。
滲んだ視界の中、ウルフの唇が吊りあがる。

お前、なんて顔してるんだ。
人でも殺したみたいに……。

まるで以心伝心したかのように、体を裏返される。撫でまわされた尻。ウルフの手が温かい。
フォックスは我知らず尻を突き出し、受け入れる体勢をとった。
すでにとろけきっている尻の穴はだらしなく口を開けているに違いなかった。
ウルフは確かめる事もせず、ひたりとそこに熱いものを押しつけてくる。
その硬さにひくりと背筋が震えた。
「ぁ…、ぅぁあああっ…っ!…ッ」
ごりりと音がしそうなほどだった。
器具で散々慣らされ、指でも焦らされ、熱く腫れぼったくなった内側をウルフの熱さが擦りたてていく。
「は…きつい、な」
どこか嬉しそうにウルフはそう言った。
フォックスは、ずりりと中を擦りながらゆっくり押し入って来たウルフを、自分の肉壁で痙攣するように締めつけながら、ようやく射精を許された。
「ぁう…あぁああああぁぁ」
熱くて重くて、頭も腰の奥も全て解放されるような愉悦。
ウルフの硬い先端を、その肉の奥で受け止める。ぞくぞくと性器の内側を駆けあがる熱いもの。体の外に飛び出していく。
射精は長かった。出し切ってもまだ出し切れていないような、重くて甘い痛みで全身が痙攣している。
「どうだフォックス」
ウルフが何か言っている。フォックスは口をパクパクさせた。息が出来なくなった魚のように。
そうして今度はウルフが己の欲望を遂げようと律動を始める。
散々に敏感にされ開発された場所を突かれるたび、フォックスののどからは声にならない声があがった。
「ひぅ、ひ、あ、あ、あぐ、うあっ」
背中にのしかかりながら、ウルフがフォックスの耳をくすぐるように息を吹きかけてきた。
「おまえな、しらねぇだろうけど、もう逃げられねぇんだぜ」
逃がさねぇけどなとウルフがつぶやく。
「ふ、ぅ…?」
ウルフの動きが止まる。
「テメェのアーウィンな、爆発炎上しちまってよ。それに巻き込まれてニュースではおまえが死んだ事になってるぜ」

…!?

耳を疑うような情報だった。

だからなのか。
誰も助けにきてくれない事実。

「……うそ、だ…」
「世間さまはつめてぇよな。だが事実だ」
薄々勘付いていたんだろ、とウルフが静かに言う。
「3ヶ月も経っちまったからな…」
もうそんなに経っていたのか。
時間の感覚が壊れてしまったフォックスはその情報にも驚く。
「…俺の物になれよ」
そう言ってウルフが律動を再開する。
「ひ、ウルッ、やめ」
「ずっと養ってやる。飛びたくなったら一緒に飛んでやる」
だから俺の物に。
フォックスの弱いところを強く突きあげ、己を叩きつける。
「ぃやだ…いっ、ヤダ…ッ…~~ッ!」
心は嫌がっているのに体が言う事を聞かない。
「ふ、ぅ…!」
ガクンガクンと揺さぶられながらフォックスはウルフに押し上げられるようにまた射精した。
それと同時にウルフをきゅぅうと締めつける。
「そのまま締めてろよ…っ」
そう言うとウルフの濃い精液がフォックスの中へそそぎこまれた。



俺が死んだ…?

ウルフの精液を体内で受け止めながら、フォックスは茫然とした。

俺は…まだ生きてる…のに

弛緩した全身に、重く、ゆったりとした喪失感が拡がりだした。
パイロットの乗っている機体が墜落し爆発炎上すれば、それすなわち死を意味する。
そんなことよくわかっている。
しかし自分自身がその対象となるとは考えてもみなかった。

ウルフは……自分を逃がす気はない…

俺、おれは…






************



それからもうどれくらい日がたったか分からない。
まだ数日なのかもしれないし、もう数ヶ月はたったかもしれない。
フォックスは今もウルフに犯され続けている。

もう逃げようともしない。もちろんウルフが逃がす気がないのは当たり前だが。だから手足の拘束も必要なくなっていた。
コロニーの中を自由に行き来して出歩いている。必要なものがあれば手下が調達してくるし、たまにウルフとの戦闘機での模擬戦などもやったりしている。
そうしてウルフが望めば、望みのままに抱かれるのだ。

一つ何か大きく変わったと言えば、フォックスの目に、光、が無くなったという事だけだ。
何度も繰り返し行われる媚薬を使った性行為による調教と、ただただ過ぎていく穏やかな日々。自分は世間ではすでに死人扱いという喪失感。

そうしてフォックスは何かを深く考えると言う事をやめてしまっていた。











「…っン…っぃ、…デっ…る…ッ」

コロニー内のウルフの寝室で。
ウルフに茎をくわえ込まれ喘ぐフォックスがいた。
唾液で濡れた幹を、包皮ごと少し強めに扱かれるその手の感覚に腰が自然とびくついてしまう。
絶頂の予感に、がり、と男の盛り上がった肩口に爪を立てる。
そしてあの弾けとぶ感覚にそなえる。
「…っ…ぁっぁっぁっ…ッ――――っぇ?」
登りつめた、と思った瞬間だった。
「…っ…ぁ…ぇ…?」
びくびくと腰は痙攣するのに下腹部の熱は飛散しない。
股間を見るとウルフがぐっと根元を握りこんでいた。
「…なんで…っ?…」
我慢ができずウルフの手を取り外そうとするが、手で押しとどめられ、また先端を咥え込まれる。
「っ…ハァー…っァっ…ッィ…っ」
弾ける、という表現が最も似合うほどに限界まで立ち上がった場所を吸われる。
びくびくっと跳ねた脚が、無意識にウルフの体を蹴っていた。
頭を掻き毟りたくなるような極悪な快楽に、フォックスは後頭部をおもいっきりベッドに押し付けた。
「~~…ッィク…ッ…イク…ッ」
頭の螺子が外れたみたいに何度も口走るけども、実際に解放はおとずれない。ウルフの手が、解放を阻止している。
「ァァ…っいきっ…たい…っ…イかせ…ッ」
後ろにねじ込まれているときも掠れた声で同じ単語を連呼してねだった。まだ後ろに射れられてもいないのにフォックスはうわずって鳴き声をあげる。
くちゅくちゅと先端を潤すように舐めていた口がフォックスからはずされた。
と、今度は後ろの穴に、にゅぐぐ、と二本の指の束がそこを割り開いた。散々慣らされたフォックスの中は、簡単にウルフの指を飲み込んでゆく。
長く太いウルフの指の圧迫感に背筋がひくついた。
根元まで埋められた指が、内側をひっかく。
「…ァ…ぃー…っ…ィ…ッ」
鈎状に指を曲げられるたびに、空気を含むぬかるんだ場所がぐぷぐぷと音をたてる。
ぐりゅっと内側の膨らみを潰されて、フォックスは背をのけ反らせながら鳴き声をあげた。
「――――っ…ぃっ…くゥ…、…ッ」
シーツをつかんで歯を食いしばり、下半身に力を入れるけど、
「…はぁッ…ァ…ッ…ぅぁ…ッ」
根元を拘束されたフォックスに解放の兆しはない。腹につかんばかりにのけ反った先端の口が、ぱくぱくと魚のように喘いでいた。
(イけない…ッ)
「…っァァッ?」
熱を放出する場を見失って痙攣する場所をまた指が擦る。
「…ーっ…ひ…っ…ぅ…ッ…ッ」
後ろの刺激だけでも辛いのに、今度は後ろに指をいれ、そこを強く擦りあげたまま前を咥えられる。
「…っもッ…やめっ…く、ゥぁあ…ッ」
腰から下が甘美な感覚に押しつぶされる。
前から後ろからの容赦ない攻めに頭がおかしくなると本気で思えた。
「…っはず…て…ッ手…っはずし、テ…くれ…ッッ」
顔を涙と涎でぐしゃぐしゃにして懇願した。
それなのにウルフは手を緩めない。
埋め込んだ指先で前立腺を押し上げながら、口にしたフォックスの先端のスリットを小刻みに蹂躙する。

尿道の焼け付く感覚。

「…っ…っ……ッ」
びくっびくっと、声も無くフォックスは絶頂に達した。
射精をしなくても、男もエクスタシーに達する事をフォックスは身をもって知った。
だがこれは実に質が悪い。たとえ感覚だけで達しても、何かを放出したわけではないので熱は腰の所で溜まる一方だ。
じりじりと焦らす様な感覚に、はやくそれを打ち消す感覚が欲しいと体が勝手に揺れてしまう。
パタパタとフォックスの尻尾は勝手に揺れ、それを見たウルフは口角を吊り上げて笑みを浮かべた。
「…ルフ…ゥルフ…ッ」
フォックスはウルフの名を呼びながら、自分の根元をつかんで放さないウルフの手を両手で掴んで腰をゆらゆらと揺らす。
もう我慢できないのだ。
早く早く。そのあつい熱でこのじれったい感覚を打ち消して欲しい。
そんなすっかり調教されきったフォックスを見て、ウルフはククッと笑って耳元につぶやいてやった。
「我慢できねぇのか…フォックス…?」
笑いながらフォックスの脚を掴み持ち上げる。ぐち、と入り口に先端を押し当てて、息を吹きかけるようにフォックスの耳にささやく。
「射れて欲しかったら、それらしい言葉でおねだりしてみろ…」
低く耳元でささやかれ、フォックスは耳をへたりと垂らしながら言う。
「…っそんなの…言えな…ッくぅ…ッ」
言い終わらないうちに軽くウルフの先端が中へと侵入してくる。
カリのところだけ。その状態でウルフは腰を止め、もう一度ゆっくりフォックスに言い聞かせた。
「俺の、中を、ぐちゃぐちゃに突いて下さい。…だろ?」
ウルフは露骨で下品な言葉をわざとフォックスに言わせようとする。口にする事で、体も精神もウルフの思い通りに堕落する。
促すように言われ、フォックスはろれつの回らない口でその言葉をウルフの言ったとおり繰り返した。
「…ッひ、ぁ…お、れの…かを、ぐちゃ…ちゃに…ッつて下さ――ぁあああぁああッ…!」
言い終わらないうちにウルフが腰をぐんっと突きこんできた。
ぐちゃっと、媚肉が激しい音をたてる。
「…ァー…っァー…ッ」
根元までずっぷりと挿し込んだ男根を前後左右にそのまま小刻みに揺らす。
「ほら…ここだろ?」
そう言ったウルフが、フォックスの一番弱いところを捏ねるようにして突き上げてきた。
「~~…ァ――――…ッ」
また、感覚だけでフォックスは絶頂を迎える。
「…っ…ッ……ッ!」
もう苦しい。いつまでたってもウルフはフォックスに完全な絶頂は与えようとしてくれない。もう股間の感覚が無い。
「イきたいか?」
「…っ」
ウルフの言葉に咽喉を鳴らしてうなずく。
それを見たウルフはフォックスの手をとり、自分で自分自身を握りこませた。
フォックスは困惑した様子でウルフを見る。
「握ってろ」
「…ッなんで…っ」
やっと解放し、イかせてくれるのではないのか…?
いまにも泣き出しそうなフォックスの表情を見てウルフは苦笑した。
「一緒にイきてぇんだよ」
つまりそれまで我慢していろと言う事だ。
「できるな?」
「…ッ」
返事は返ってこなかったが、必死にうなずくフォックスを見て満足したウルフは、大きく腰を動かし始めた。
「――――…ッ!…ッ」
手加減無く猛った男根をねじ込まれた。
一気にペニスから欲液が迸りそうで、フォックスはしがみ付くようにそこを握り締めた。
くく…と咽喉の奥でウルフが笑うのが聞こえる。
「…我慢しろといったのに、先から零れてるぞ」
どれほど我慢しても、とうの昔にフォックスのそこは限界を超えているのだ。
ずちゅっとまたねじ込まれ、締め付けているはずの所からとろりと液体が溢れ出す。
「…っもう少し我慢しろと、言っているだけだろうが…ッ」
「…っひ…ぁ…ッ」
「それもできないなんて、困った淫乱だな…ッ」
ウルフの腰の動きが一段と早くなる。
「ァァァァァっァっァッ――――…ッ」
フォックスは息をつくことも出来ずに、ただ激しい抽挿に高い喘ぎを漏らす。
「もっ…むりッ…ムリッァッァッァ―――…ッ」
どくんと押し寄せてくる感覚に身を押し上げられ、びちゃびちゃと粘度の高い飛沫を腹や胸、そしてウルフの腹にぶちまけてしまった。
壊れたように痙攣し、止めどなく白濁の液を漏らす。
「ァー…ァ……ァ………ッ」
ようやく達する事ができた射精の感覚。それと共にウルフの粘度の濃い精液が中に注ぎこまれて。
荒い呼吸に肩を揺らしながらぐったりとベッドに体を沈ませて絶頂の酩酊感に酔いしれる。
そんなフォックスを見ながら、射精の余韻が終わったのかウルフは体を起こし、フォックスの中から男根を抜いた。
そしてフォックスを自分と目が合うように起こしあげる。
放心したように自分を見つめてくるフォックスにウルフは訪ねた。
「フォックス……お前の大切なもんはなんだ…?」

大切なもの…?
ウルフの問いかけがよく分からず、フォックスはぼんやりと思考する。

大切なもの…

大切なもの…

大切なもの…

…分からない…
俺は何が大切だったんだっけ……

いったい…なにが…

大切なもの…


大切な…


…。



そうだ。俺の大切なのは――



「俺が大切なのは、ウルフ」
フォックスはウルフの紅い瞳を見ながらにこりと笑った。
そしてすがり付くように首に両手を回してしがみ付いてくる。

「…よく、分かってるじゃねぇか…フォックス」

それを聞いたウルフは酷く嬉しそうに、そして…少し悲しそうに笑ったのだった。





こいつの目にはもう俺しか映っていない。

やっと手に入れた。

――俺のものだ。




                 End
叶わない願い2





次の朝。朝と言っても、宇宙空間に朝昼夜は存在しないが。
フォックスが目を覚ますと。
両手が縛られている状態での目覚めだった。
フォックスはいきなりの事に混乱し、ベッドに横になったまま自分の手首の紐を見る。

なんだ?これ?

両手を縛る赤い紐は、ベッドの頭の上にくくられており、体を起して引っ張ってみてもうんともすんとも言わない。紐の中に鉄線が通されてるかのような。
ベッドボードにしっかりと結ばれ、両手はひとくくりにされている。
しかもこの赤紐……これは。
あの時の。
あのみだらな夜の。
あの時と同じ紐に対して記憶がありありと蘇ってしまったフォックスは、頭を抱え込んだ。

どうして普通に用心もせずに眠りについてしまったのだろう。

徹夜してでも起きているべきだったのだ。
どうにかほどけないかと躍起になるほど、きつく紐が食い込んでくる。
ウルフか。ウルフが縛り付けたのだろうか。きっとそうなのだろう。
またあんな事をされるのだろうか。
自然と冷や汗がフォックスの頬を滑り落ちた。
あんな…苦しく、辛い事を、また。
フォックスがおびえて身を丸めた瞬間、部屋のロックが解除される音が響き渡った。

来た、と頭の中で警告音が鳴る。

ドアが開き姿を現したのはやはりウルフだった。
目ぇ覚めてたかと声をかけながらベッド際まで近づいてくる。
その手に何やら薬のようなものが握られているのが目に入った。
おびえたフォックスはウルフから逃げるようにベッドの端まで体を寄せる。
それを見て笑いながらウルフはベッドの上に乗り、フォックスの足をつかみ取った。
「ひっ」
ベッドのスプリングがギシッと跳ねる音が妙に耳に響き、フォックスはつかみとられた足をがむしゃらにふって逃げようとした。
それをウルフにがっちり押さえこまれ、大きく足を割り開かれる。
「やめ、ウルフやめてくれっ」
フォックスが懇願すると同時に、ウルフは何やら奇妙な軟膏のような物を、フォックスが驚く間もなく無骨な指で幾度となく秘部に塗り込んできた。
いきなりぬるぬるとした物を尻の中に塗りたくられ、フォックスは悲鳴を上げる。
「うああ…ッイッ…!んン…ッ!」
ぬちゅぬちゅと何度も何度も丁寧に中へ沁み渡るように奇妙な粘液を塗りこまれた。
ほどよく塗り終わると、足を掴んでいた手を離し、そのままウルフは何もせずにベッドを降り、部屋を出て行く。
フォックスに向かってがんばれよ、と声をかけながら。


*************


「…っ……ぅっ…」

もうどのくらいここにこうしていたか、フォックスは覚えていない。
宇宙空間の中は昼も夜も無く、明かりもルームランプ一つがぼんやりと灯っているだけ。
もう何日も経ってしまった気もすれば、まだほんの1時間程度のような気もする。
「…フ…ッンッ…ぅぁァッ」
フォックスはベッドの上で悶えるように内股を擦り合わせた。

ウルフに無理やりこじ開かれ塗りこまれた奇妙な粘液。

幾度となく擦りこまれた粘液は、程なくして猛烈な痒みを引き起こした。
そういった薬だったのだろう。
耐えようとしても、それは無駄な抵抗にしかならなかった。
「たすけ…たすけテ…ッたすけてくれよォ…ッ…ぁ、ひぅ…くぅゥ…!」
まるで泡立つみたいにじゅくじゅくとした痒みがひしっきりなしに襲ってくる。
掻き毟ろうにも手を頭上で縛り上げられている。
指を突っ込んで擦りあげてしまいたいほどの痒み。しかしそれが叶わない事で、余計に痒みを知覚してしまう。
壁や物に擦りつけてしのごうにも、うまく届かずに、フォックスの身体はむなしくベッドの上で跳ねるだけだった。
フォックスに出来る事は、内股を擦り合わせ、ベッドのシーツに体を擦りつけながら悲鳴にも近い嬌声をあげて耐える事しかなかった。

脂汗を滴らせ、奥歯をかみしめ、ひたすらに掻痒に耐える体は、だから不意に現れた人影に気づく事が出来なかった。
人影がそっと腫れものを触るかのように自分の身体に触れてくる。
(…ぇ…?)
「大丈夫か」
低い声だった。
いつもの声の低さ。ウルフがいつの間にかそばまでやって来ていたのだ。
ウルフの手が、ゆっくりと太股から腹までをなぞるように撫でていく。
「…ぁ…ぁ……」
大量の汗でしっとりと湿ったおでこを大きな手が丁寧に撫でてくれる。
目線をあげるが、ぼんやりとした明かりの中、相手の表情を読み取ることが出来ない。
よく効いてる、とつぶやき、ウルフの手がゆっくりとフォックスの身体を撫で始める。フォックスの体が今どういった状態にあるのか確認するかのような動きで。
その動きは至極緩慢で、フォックスの最も求める場所は全く撫でてはくれない。
(…かゆ、ぃ…ッ)
どうゆうわけかウルフが自分の体を撫でるごとに恥ずべき場所を猛烈に襲い始める掻痒感に、フォックスはベッドの上でもがいた。
「…ァァッ…ヒ、…ァ―…ッ」
(なんだ…こ、れ……ッ…)
まるで全身が性感帯にでもなってしまったかのように、一撫でされるごとに全身の毛並みが総毛立った。
もう我慢などできる状態ではない。ただただ焼け爛れたように熱い粘膜が。
ウルフの目の前だと言うのに、ベッドに己の股間を押しつけるように擦りつけ、秘部の痒みを分散させようと自身を慰める。
それを見たウルフはのどの奥でかすかに笑いながら、フォックスの秘部へそっと手を伸ばした。
「ァ…ッ」
つぷりとウルフの長く節がついた指が秘部に入り込んでくる。
くちゅり、と第一関節がそこに埋まると、痒みが一瞬引いたかのような安堵感があった。
だがそれはたった一瞬の事で、再び倍増する痒みから逃れるために、根元まで指が欲しいと自然と腰が動いてしまう。
「…ッぁァ、っ…」
ゆっくりとウルフの長い指が2本。すでに奇妙な液体でぐちょぐちょになった場所へ入り込んでくる。
手が縛られ抵抗のすべがないフォックスは脂汗とよだれと涙を流しながらウルフへ懇願した。
「ァ、ぁっ、ソコ…っかゆィ…ッァ…たすけ…ッ」
最早内臓まで浸食してきた淫らな痒みに、虚しく腰を揺すった。下等動物のようで恥ずかしい、などと思う余裕は無かった。
「いやらしい奴だな」
感心したようにウルフがそう言う。
どこを掻いてほしいんだ?と聞き、ウルフの指が火照って熱くなったフォックスの体内を蠢いた。
他人の背中の痒いところを探してやるように、フォックスの顔を見ながら指をゆるゆると内部で浅く深く確かめる。
「…っぅんん、…ぁ、……ンンっ…」
「ここはまたずいぶんと熱いな」
ぷくりと爛れたように熱く膨れていた前立腺を、確認するようにウルフの指の腹が擦りたてる。
フォックスは反射的に身をすくめた。
「ヒ…ィッ」
「ああここか?痒いんだったな。掻いてやる」
突然内側を強く擦り、くの字に曲げた指を激しくそこで出入りさせた。
「ぁッ…ァッヒぅ…ッンッンンッン――…ッ」
ぴっ、と細かく震えた腹筋に白い飛沫が散る。
強い衝撃はそのまま全ての欲望を解放するにはたらなくて、フォックスは耳の先までぶるぶると震えを見せた。
――なんてことだ。これは。
認めたくない。認めたくないが。…気持ちいい…。
痒くて仕方ない内側をウルフの指が蠢くたびにジンッ…と足の先までしびれて耳の先までざわざわする。
こりこりと内側のふくらみを指の腹で擦られるたびにフォックスは乳白色の飛沫を自分の腹へこぼした。
「…奥まで擦ってやる」
「…っァっ……っ?」
今までフォックスの様子を見ていたウルフが静かにそう言ったかと思うと、ずる、と指を抜く。
そうして一気に痒さが戻ってきた内側。
「…っんンッ…ぅゥ…ッ!」
襲い来る痒みに身をよじった瞬間、ぐちっとぬかるみに押しつけられた、熱い塊。
フォックスはひくっと息をのみ込んだ。
「…ッ…」
そのままゆっくりと己の中に侵入してきた硬さと太さに、声にならない悲鳴をあげる。
「――…~~ゥァァア……ッ」
足を折り曲げられ、のしかかられ、圧死してしまいそうな存在感に犯される。
熱く硬くなったそれが、ぷくりと腫れあがったいやらしい場所を硬いカリでこそげていき、フォックスの下腹部には乳白色の飛沫がさらに飛び散った。
「ヒ、ぁ、ァッ…ふぅっ…っふ…ッ」
「…熱くて…よくとけてるな…」
感心したように嘆息し、男がフォックスの中におさまった事を確認するかのようにゆっくりと腰を回す。
そのたびに痒かった内側を強く擦られ、フォックスからは獣じみた鳴き声があがった。
「あぐ…ひぅゥ…きゃううぅッ」
もっと擦って欲しいとでもいうかのように収縮する内壁を、男の肉棒が丁寧に掘りさげる。
ぬちぬちという音がするたびに、狂うような痒みは収まり、フォックスは悲しみからか、悦びからなのか、涙を流し始めた。
「ッヒっ…ぃ…ィッ…ぁぅッうぁァ…」
「……ッ…なぁ、知ってるか」
ウルフがフォックスの頬を流れる涙をそっと指ですくいながらつぶやいた。
「俺、テメェの事、好きなんだぜ」

「…っァ…っ?」

今何と言ったのか。
フォックスは自分の耳を疑った。
ウルフが、俺の事を、好き?
涙越しに見たウルフの表情は、よくわからない。
「…知るわきゃねぇよな…」
そうつぶやいたかと思うと、ウルフはフォックスの細腰を掴み、強く揺さぶり始めた。
「アァアッ!アッ、は、っあっ、ぁ、ンッ…~~!」
浅く早く何度もフォックスの弱いところを強く突いてくる。
痒くてしかたのなかった己の内側を、ウルフが擦りあげるたび、奇妙な快感が生まれた。
「ウルッ、オレ、出る、もうでる…!~~ッ!」
ぐりぐりと中の膨らみをペニスの先で押しつぶされた時、フォックスは泣きながら叫んだ。
ウルフに押し上げられるようにしてフォックスは欲望を吐露する。
「…っは、あ、あ…ァァ――…」
勢いはあまりなく、流れ出るようにフォックスは射精した。とろとろとした精液がフォックスの腹筋の上を流れおちていく。

もう訳がわからない。

痒いのか、痛いのか、気持ちいいのか。
「ッ…こぼすなよ…ッ」
そういいウルフもフォックスの中へ己の欲望をドプンと注ぎこんだ。

ああ…また…中に出された…

ぼんやりとそれを知覚し、フォックスは涙をこぼした。
それから何度も。フォックスの痒みが収まり、内側がウルフの性器の形に変形してしまうほどにフォックスは犯されたのだった。



************



それから、ウルフは毎晩のようにフォックスを求めて部屋までやって来た。
食事をすませ、ひと眠りしたところで起こされ、シャワーで腸内を洗浄し、媚薬を塗りこまれる。
そうしてフォックスが痒みに耐えられなくなると、非常に嬉しそうな笑みを浮かべて覆いかぶさってくるのだ。
何度も抵抗してみた。逃げようとも試みた。
しかしそのたび力づくで捕まえられ、手酷く媚薬を使われた調教じみた性行為が行われた。

フォックスはもう時間や日にちと言う概念が無くなってしまった自分に気が付いていた。

窓から見える景色は宇宙空間のみ。
時折ウルフやレオンがウルフェンに乗って基地を飛び立っていくのが見えるだけ。
それを眺め、自分も空を飛びたいと願いながら、それも叶わない事に途方に暮れていた。

まるで忘れ去られたかのように、どうして誰も助けにきてくれないのだろう。






ぼんやりと窓の外に見える星を眺めていると。
ドアの開く音がしてウルフが食事を持ってきた。
銀のトレーに飲み物にエビとトマトクリームがたくさんのったパスタ、それに切られたりんごがのっている。
「……」
黙ってそれを眺めながらぼんやりとフォックスは思った。
――どうしてウルフはこんな事をするのだろう。

ウルフは。
自分を抱き終わると、必ず「好きだぜ」やら「お前は俺の物だろ、なあ」やらの言葉をささやいてくる。
最初、それは行為に対するただの社交辞令なのかと思っていた。
だが、そのウルフの表情。声色。
それが嘘の言葉ではない事をフォックスに知らせた。
好いてくれているのなら、こんな風にして欲しくなかった。
正義感の塊なフォックスにとっては、この行為は信じられない、信じたくないの一点でしかない。

「朝食だ」
ウルフがトレーをルームランプが乗っている机の上にのせる。
カタンと音がして、フォックスはぼんやりとうまく回らなくなってきた頭と口でウルフに聞いた。
「…ウルフ」
「ん…?」
「ウルフ、俺も、空飛びたい」
「……」
ウルフの目が一瞬細くなるのが見えた。怒られるだろうか。逃がさないと言われるのだろうか。でも、もう限界だった。
「飛びたいんだ」
ウルフの赤い目をしっかりと見ながら言った。
ウルフの返答は至極簡単なものだった。
「いいぜ」
え、とフォックスは間抜けな声を出してしまった。まさか許されるとは思ってもいなかったのだ。
「ちょっと待ってろ」
そう言っていったん部屋を出ていく。
数分して、ウルフはフォックスのスーツをきちんと一式そろえて持ってきた。ちゃんとしまっておいたのだろう。捨てずにいてくれたのだ。
フォックスは目を輝かせた。まるでスーツが輝いて見える。
おそるおそるウルフの手からスーツを受け取り、急いで今着ているシャツを脱いでスーツの中へ身を通す。
もはや懐かしいとまで感じる着心地だった。スーツの感触が柔らかい。洗濯がほどこされているのかいいにおいがした。
「来い」
ウルフが短く言うと部屋のドアを開け廊下を歩いていく。
「……!」

まるで夢みたいだ。
外に出られるんだ。空を飛べるんだ。逃がしてくれる気持ちに、ウルフはなったのだろうか。

よろけるようにフォックスはウルフの後ろ姿を追いかけた。





ウルフが向かった先で待っていたのは、模擬戦闘室だった。
360度空の画面が映るビジョン機器と、その中心に据えられたウルフェンを模した戦闘機。
それに乗りこむと、周りのビジョン機器壁に映像が映るなか、重力装置によりその位置からは動けないが、まるで本物の戦闘機に乗ったかのような訓練が出来る。
バーチャル訓練機器だ。
コーネリア軍でもこれを取り入れた戦闘シュミレーションをおこなっているときく。
きっとウルフの基地の若いならず者達もこれを使用して訓練しているのだろう。
「どこがいい。テメェの望むところでやってやるよ」
ウルフがそう言う。
言いながらウルフが入口にロックをかけた。そしてロックの横にあった小さな機器に何かを入力する。すると薄暗かった部屋が一気に明るくなった。
パパパパッとビジョンの壁にコーネリアの空が映りだす。
「ここか?」
言いながらまた何かを入力した。
「それともこっちがいいか」
壁には今度はアステロイド空間が映りだした。
ビジョンに映し出される光に照らされるウルフの横顔を見つめながら、フォックスは自分の胸をぎゅうっと掴んだ。

そんな簡単に、逃がしてくれるわけ…ないよな…。

喜んだ分、落胆も大きかった。
フォックスが落胆の色を隠せないのを見たウルフは、再度コーネリアの空を映しだしたところで手を止めた。
「……」
そしてズカズカとこちらへ近づいてくる。
「………ウルッ…!?」
ガッと腰を掴まれ、無理やりウルフェンを模した戦闘機に放り込まれた。
「しょぼくれてねぇで、いいから乗ってみろっ。俺が今からテメェと模擬戦闘してやるって言ってんだ」
「……?」
模擬戦闘?
…何だ…それ…?
しぶしぶフォックスがウルフェンのシートに座り、ベルトを装着したところで、ウルフは黒い鼻をふんっと鳴らし、隣の部屋へと歩いて出て行ってしまった。
「………………ウルフ…?」
ウルフの沈黙が耐えられなくなったフォックスが探るように声をあげると、突然通信画面にウルフからの通信が入る。
「よう、見えてるな。そいつは俺様のウルフェンとほぼ同型の操作方法になってる。テメェのアーウィンと似たようなもんだ。操作法はわかるな」
「ぁ、ああ」
確かに言われてみるとアーウィンに似ている。フォックスは恐る恐るウルフェンのボタンを押した。
リフトロックを解除する。それと同時に重力装置が働き、ふわりとウルフェンは空中に浮き、停止した。
プラズマエンジンを噴かせ、操縦桿を握る。Gディフューザーシステム制御レバーを力強く倒した。
それを皮切りにグンとビジョンが動き、まるで本当に空を飛んでいるかのような映像が眼下に広がった。
「う、わぁ」
――すごい。
バヒュウゥゥンという小気味よい音を立ててウルフェンは空へ舞い上がった。――ように感じられた。
ウルフからの通信がまた入る。
「そいつは本物の戦闘機とは違うからな。前には進まねぇが、ビジョンが動いてんだろ」
偽物の音に振動、眼下に広がる景色。全て偽りだとわかっていたが、それでもフォックスは嬉しかった。
雲が後ろへ流れていく。操縦桿から伝わる振動は、まるで本物のようだ。
ローリングをすると、ウルフェンは宙に浮いたままローリングをして見せた。
それがただただ嬉しくて、フォックスは腕慣らしにぐるぐると宙返りをして見せた。
そこでウルフからの通信が入る。
「調子よさそうじゃねぇか。おら、1ラウンド勝負だ」
え、と思い後ろを見ると、ビジョンの中にウルフが乗るウルフェンが小さく見えた。こちらへ急接近してくる。
「テメェのいる部屋の隣にも同じバーチャル訓練機がある。もう片方に乗りゃあ、テメェが乗ってる機体と模擬戦闘もできんだよ」
ウルフが楽しそうに声を出した。
「本物とまではいかねぇが、なかなかの再現度だろ。――いくぜ」

ただただ嬉しかった。
閉じ込められていた日々がウソのようだ。
偽りの空、偽りの機体。全てが偽りだとわかっていても、ウルフと戦える事はフォックスにとっても快感だった。
そしてウルフ自身、フォックスと同じように飛び、模擬戦闘を繰り広げながらじんわりと胸の中が熱くなっていた。

――そう、これだ。
――これを俺は欲したのだ。
この空を飛んでる姿。
はじめてこの空を駆ける狐を見た時、胸の中にどすんと重いものが落ち込んできた。
それは非常に重く、男の事をいらつかせるのに十分の重さだった。
正義感の塊で、自分の雇主と敵対する男。
鋭い腕を持った好敵手。
――宿命のライバルと定めた。

落としてみたい。

――堕として。

それが叶い、残骸のようになった機体の中で生きている狐を見た時、体の底から震えるほど自分が狂喜している事を知った。
自分がどれほどこの瞬間を待ち望んでいたのかを知ったのだ。

こいつを、手に入れよう――。





「楽しかったよ…ありがとな、ウルフ」
落としたり落とされたりの模擬戦闘が終了して、機体からはあはあと息が上がった状態のフォックスが降りながら笑顔を作り口を開いてきた。
ウルフは一瞬ポカンとした。

こいつは、こんな状況であっても、礼を言わずにはいられない生き物なのだ。偽りの空であっても、どれだけ嬉しかったのだろう。

先に降りて来ていたウルフは小さく鼻を鳴らし、フォックスの顔をじっと見た。
幼さを残し、高揚したような表情。フォックスの汗の匂いがする。
ふと、その匂いにウルフは先ほどまでの興奮とは違う性的な興奮を覚えた。
グッとそれを飲み込み、フォックスに風呂に入れと声をかける。
――風呂。
それは。
困惑したようにフォックスはウルフの顔を見る。
ウルフは鋭い目をさらに細くして言った。
「自分で全身洗って来い…中、までな」
やはり。
ウルフが風呂に入れと言った時は、決まって性行為が行われる。
その事をわかるようになるまでフォックスは犯しつくされてしまっていた。
ウルフの目を見ればわかる。
たった今おこなった模擬戦闘で、ウルフは興奮しているのだ。その興奮をフォックスの中で静めようとしている。
ああ、と諦めたように言ってフォックスは歩き出す。
フォックスは、廊下を歩きながら逃げようともしない。
もう逃げる事を諦めてしまったようにも見えた。






叶わない願い1

『叶わない願い』





男は、灼眼の瞳を持つ隻眼の狼は、目の前の簡素なベッドの上で両手足がっちりと拘束され、意識を失っている狐に目を向けた。
ベッドの四隅から狐に向かって伸びているきつい紐は、ついさきほど男が自身の手でギチギチと縛りつけたものだ。
狐は大の字のように手足が伸び、ある程度紐には緩みを与えているが意識があってもきっと動けないだろう。
部屋の中は薄暗く、余分なものがほとんど置かれていない。その中で男の灼眼だけが鈍く光を放っている。
男は低い声でつぶやいた。

「…手間かけさせやがって…」





いつも通りのドッグファイトだった。
負けた、という事以外は。
そう、負けたのだ。
狐は…狼とのドッグファイトの末、空から撃ち落された。
コントロールを失った瞬間、全てがゆっくりに見えた。自分が負ける事など、目の前の好敵手に本気で撃ち落される事があるなど、考えたこともなかった。
意識が飛ぶ前に見た光景は、白光、轟音、自分の叫び声、相手の顔…。そうして全てを意識から排除した。




狼はタイマンでの勝負で狐を撃ち落したとき、狂喜した。
荒廃した大地の上に打ち捨てられたようにしている狐の機体に近寄り、狐の生存を確認したところでさらに体が高揚した。
途中で意識を失ったせいで機体内から脱出できなかったのか…軽く傷を負ってはいるが生きている。呼吸をして、心臓が動いている。
男は確認が済むと狐を己の肩に抱えあげ、その場から去ろうと背を向けた。
と、そこで狐の壊れかけの機体の無線から声が聞こえた。
「フォックス!どこにいるの!?お願いよ、答えて…!!」
男の動きが止まった。
肩越しにそのノイズまじりの女の声を聞く。
ゆっくりと肩透かしで振り返った男の瞳は恐ろしいほどの鋭さだった。振り向いたときと同じく、ゆっくりと片手で腰のホルダーからマグナムを取り出す。
ッガォオ――――ォンンッ…
耳を噤ざむような音と共に無線機はマグナムの弾丸を受け、粉々に破裂した。





そうして狼は狐を自分のコロニー内に連れて帰り、今の状態に至る。
男は腕を組み、薄暗い部屋の中でじっくりといまだ意識を取り戻さない狐を少し離れた所で眺める。
なぜ自分はこいつをこんな状態にしているのか。

…決まってる。俺様の物にするためだ。こんなチャンスめったに来るものではない。

――男は。この狼は。目の前の狐を愛している。
だが雄同士。さらにはライバルである敵チーム。
こんな己の感情、おかしな物だと自分でも分かっている。
だが、さっき目の前で撃ち落し…意識を失っている狐を見た瞬間、己の中の何かの感情がふつりと途絶えた。
こいつは…同じチーム内の女と恋仲らしい。

そんな事、俺のしったこっちゃない。

俺はずっと昔からこいつの事を考えてきた。
途中からポッとでてきたような女狐に奪われるなど、許せるものか。
さいわいにしてこいつはまだあの女を抱いた事がないらしい。俺様のチームメンバーのパンサーからそのことを聞いた。
それでいい。
もしあの女を抱いていたりでもしたら、俺はあの女も目の前のこいつもどっちも殺しちまう。噴出す感情が耐え切れずに。
そんな自分を、心のどこかで浅ましいと罵る自分がいる。

――それがどうした。

自分の欲望のために生きて何が悪い。生き物なんてみんな自分の欲望に沿って生きるものではないか。
だから。
無理矢理にでも俺の物にしてしまおう。逃げられないように縛って閉じ込めて。とことん犯しぬいて、俺無しでは生きられない体にして。
そうすればいつかおとずれるだろう。
こいつの目に、俺しか映らなくなる日が。





フォックスはふと、目を開けた。
灰色がかった薄暗い天井が見える。自分の右側には大きな窓があり、宇宙空間が見えている。ここはどこだろう。
自分は確かウルフに撃ち落されたはず…。なぜこんなへんぴな場所にいる?
ぼんやりとした思考でフォックスは体を起こした。起こそうとしたのだが。
「…?」
ほんの少し体が動いただけでそれで動きが止まる。自由が利く顔を横に向けるとベッドの端から伸びた赤い紐で手首がきつく結ばれていた。
反対の手首も同じ状態だ。足は上手く見えないが同じように縛られているようだった。
訳が分からない。実にその言葉が正しい。何が起こっているのだろう。
訳が分からなくて混乱しているフォックスの耳に、聞きなれた低い声が聞こえた。
「目ぇ覚めたか」
部屋の左隅から聞こえたその声に、フォックスは首を上手く起こして声の主を凝視する。
薄暗い部屋の隅に、さらに影を落としたように立つその影。シルエットだけで誰なのかが分かった。
「…ウルフ…」
影の中から名前を呼ばれた男が姿を現した。ゆらりと近付いてくる。
そのゆっくりとした足取りにフォックスは何らかの危機的感覚を感じ取り、必死になって手首の紐を引きちぎろうとした。
だがそんなことで太い紐が切れるわけでもなく、逆にきつく食い込んでくる。
仰向けで両手足無防備に開いて。この状況はやばい。
もしウルフに鳩尾をおもいっきり拳で殴られてもかばう事すらできやしない。反撃のために足で蹴飛ばす事もできない。
このまま近付いてきておもいっきり横っ腹を蹴飛ばされてもなすすべもなく自分はベッドの上で弾むだけだろう。
と、フォックスは思考した。自分は今からウルフのサンドバッグになるのだと。
そんな退廃的な思考をしている間にウルフはもう枕元まで来ていた。
じっ…と顔を見つめてくる。
その鋭い目におびえて、フォックスはきつく目を瞑った。さぁ、くるぞ。もう一秒後にはあの大きな拳を鳩尾に埋められているかもしれない。
ぐっと無意識のうちに腹筋に力を入れて、来るであろう暴力に構える。
だが拳は腹に埋められる事はなかった。
変わりにベッドの淵が軽くぎし…と音をたて、自分の上に男が乗っかる感覚がした。
フォックスが薄目を開けて目の前を確認すると、ウルフが自分の上でマウンテンポジションを取っている。
そうか。腹を殴るのではなく、マウンテンポジションのまま顔を殴打する気なのかとフォックスは歯を食い縛った。
だが、やはり男が顔を殴打してくる事はなかった。
代わりにズボンのベルトをカチャリとはずされる。
「――!?」
何事かとフォックスは顔をあげる。それと同時にはずされたベルトが宙を舞って壁にぶつかり落ちた。
「な、何しているんだウルフ」
訳が分からずフォックスはウルフにたずねた。
「テメェを犯す準備をしてんだよ」
さも当たり前だろうとでも言うように男は答えた。
オカス…おかす…………犯す…?
「今、犯す、と言ったのか?」
“犯す”…その言葉は“強姦”を現している。
震える声でフォックスはたずねた。
「ああ」
つっけんどんに男は返答する。
「大人しくしてりゃあ、直ぐに終わる」
低い恫喝。有無を言わせない、凶暴な脅し。
いつも空で相対するときには決して見せた事も聞かせた事もないような声色。

なぜ。どうして。ウルフ。なぜ。
犯すという事は、セックスを。俺は雄だぞ。ウルフも雄で。ウルフの言う行為は男女で行う物で。なぜ。どうして。ウルフ。…悶絶する頭の中でぐるぐると言葉が回る。

説明を一切されない拘束と行為は激しい恐怖をフォックスに与えた。
混乱しているフォックスをよそに、今度はスカーフをはずし、上着をはだけさせる。前を開けられた事で寒さと恐怖にぶるりと身震いした。
「おいウルフ、ちょっとおかしくないか?犯すという事はその、あの、セックスの事を言っているんだろう?おかしいって。ウルフも俺も雄だぞ」
黙々と行為を始めようとしている男に恐怖し、冷や汗をかきながらフォックスはべらべらと言葉を並べる。しゃべっていないと恐怖が波のように押し寄せてきそうだった。
「…黙ってろ」
ぼそりと男がつぶやくのが聞こえ、おもむろに取られたスカーフで口を拘束される。
「っ!?」
(まさか、まさかウルフ本気で…!?)

そんな馬鹿な。
ウルフは…俺の好敵手で、男らしいやつで、悪党だが度量も広い男で。
こんな強姦、する訳がない。
そもそも俺みたいな男なんかより、いくらでもすばらしい女性を手に入れられるはずだ。
なのになんで、ウルフ、俺を。
 
恐怖で体を強張らせるフォックスのズボンを下へずらし、内股をゆっくりと撫でてくる。
まるで舌が這うみたいなねっとりとした動きに、ぶるりと腰が震えた。
「…お前がどう思っていようがしったこっちゃないが、俺は俺様の意思でテメェを犯す。…それだけだ」
お前を俺好みの体に作り変えてやるよ…とつけたし、ウルフはフォックスの下着の中に手を差し入れた。
冗談ではない、そんなことされてたまるものか。そう思ったところでウルフの大きな手がフォックス自身に触れた。
「!!」
初めて他人に触られた感覚に、ぎょっとさらに体を強張らせる。
最初はつつく程度だった手の動きが、じょじょに上下に動き始めた。
「…っ…ゥ…ッ」
感じたいわけじゃない。けれど、そういった行為に対する反応はDNAに刻み込まれているのだろうか。
勝手にペニスに対する刺激を愛撫と判断した体は、徐々に熱を孕み、その箇所を熱く堅くし始めた。
「…っ…ぐッ…ぅぅ…ッ」
「先がぬるぬるして来たぜ?…声が聞けねぇのが残念だな、なぁフォックス…?」
くもぐったフォックスの声を聞きながらウルフはおもしろそうに敏感な先端をぐいっと擦ってきた。少し乱暴に扱われ、その途端に電気のような感覚が全身を貫いて、びくんと腰を跳ねさせる。
(ぃやだ…っ止めてくれ…ッ)
ひくひくと小刻みに震えるフォックスを見て、ウルフはかすかに笑う。自分の下で、こいつが、フォックスが、こんな事を俺にされているのかと思うだけで、背筋にぞくぞくと震えがきた。
「…ぅ…ふぅ…ふッ、う…ッ?」
急にウルフの手が止まった。止めてくれる気になったのだろうかと一瞬フォックスは安堵する。が、ウルフの次の行動に息を呑んだ。
ウルフが荒々しく自分のベルトをはずし始めたのだ。パチン、パチン、カチャと音が聞こえ、おびえて顔をあげるフォックスの目にそれが映る。
ぼろん、と飛び出た巨大で赤黒い性器に、フォックスの表情が強張った。
男は見開いたフォックスの目を心地よさそうに受け止めて、フォックスの上に乗り、股間を摺り寄せる。
「…ッ!?うウッ…」
熱くて堅い感触がフォックスのペニスに重ねられる。
ぶるりと気持ち悪さに震えたところに、ぐりゅっと激しく性器を太い焼き杭で擦るように摩擦され、咽喉が悲鳴の形に痙攣した。
「~~~…ッ」
目の前が一瞬スパークした。
(…何だ…今のは…ッ?)
戸惑いに回答を出す前に、再び下からの突き抜ける快楽に、顎を仰け反らした。
「…っまずは…テメェにも…その気に、…なってもらうぜッ」
「…ふッ…ッゥっ……うぐ…ッ」
衝熱を逃がす事ができる重要な器官である口を塞がれていて、必要以上に与えられる肉の感触を敏感に受け止めてしまう。
ウルフの息切れと勃起した二つの性器がこすれあう音のたびに、フォックスの体は大きく仰け反った。
「ッくぅっぅう…ッ」
一際強く捏ね挙げられた瞬間、フォックスのまなじりから透明な液体が滑り落ちる。
「…ハッ……気持ちよすぎて泣いてんのか?………………テメェもあの女にこうゆう風にしてみたかったんだろ…?」
滲む視界のなかでフォックスはそのウルフの声を聞いた。

何でこの場面でクリスタルの事を出す?
何でクリスタルを。

目を見開いて見つめられたウルフは失言だったと、ゆっくりと口元を押さえる。
そして今の言葉を取り消そうとするかのようにさっきよりも激しくフォックスに腰を打ち当て擦りあげた。
さらに激しく捏ねあわされ、今までよりもまして腰を使い始めたウルフの肉棒の感覚に、ぎゅうっとパンパンに膨れ上がったペニスがちぢこまるような、予兆とでも言うべき感覚に襲われる。
切羽詰ったそれにフォックスは必死に首を打ち振る。
「…っふッううぅンンッ」
「何だ急にじたばたし始めて…ん?そうか……おら、イっちまいなッ」
腹につきそうなほど反り返ったものを握られ、乱暴に上下に扱かれる。
ウルフの手の動きに合わせてびちゃねちゃとどちらの物とも知れない欲汁が粘液状の音を立てた。
「ぅうッ…ぅ…ぐぅ…ッ」
必死で腹に力をいれ耐えていたけれど、ぎゅうっと双玉を擦り合わせるように掴みあげられた瞬間、
「ッ?!ぅッンッ…ゥゥン~~~…ッ!」
それまで耐えていたもの全てを、仰け反りながらどっと吐き出してしまった。
「…~ッふぅッ…はっ…ふぅ…ぅ……っ」
フォックスの射精を促すようにウルフの手がゆっくりとフォックスのものを扱く。最後の一滴まで出させようとするかのように手で擦りあげられた。
初めて他人によって、しかも男のウルフに与えられた絶頂に悶絶する。
「くく…たっぷり出たじゃねぇか…」
ウルフの咽喉奥で笑う声が聞こえ、出したばかりの精液を腹の上に指で塗り伸ばされる。
射精直後で体が弛緩し、ぐったりとベッドに体を沈めているフォックスを見ながら、ウルフはフォックスを拘束していた赤い紐を両足だけはずした。
だが両足が開放されてもフォックスにはたいした抵抗はできなかった。体を動かすのがひどくおっくうで、脳が信号を出しても体がそれを受け取ってくれないのだ。
ついでにウルフはフォックスの口につけていたスカーフの拘束も取り払う。
だが開放された口が罵る事に使われる事はなかった。やっと呼吸が楽になり、小さく喘ぎにも似た吐息をついただけだった。
すると今度はウルフの指がフォックスのへそのあたりに濡れ溜まっていた精液に伸ばされた。
それを指に絡めると指になじませるようにぐちゃぐちゃと捏ねる。まるでフォックスに見せ付けているかのようなその指の動きに、フォックスは顔を思わず横へそらした。
と、ウルフの片手がフォックスの片足を折りたたむようにし、指が下の穴にあてられた。それにフォックスはびくりと体を強張らせる。
女が相手ならば膣に射れればいい。
なら、男が相手の場合は…女の膣に代わる場所に射れるしかない。
その考えが浮かんだ瞬間、フォックスの顔からはサーっと血の気が引いた。

尻の穴にだって? 入るわけがないじゃないか。

「ま、待て、ウルフ――」
言い終わるか言い終わらないかの所でウルフはフォックスの精液に濡れた人差し指をフォックスの中に捻じ込んだ。
「ッ――っ!!ィっ…ッ」
無理矢理入り込んできた異物感にフォックスは眉と口元を歪める。
指に絡めた精液のおかげなのかぬるると簡単に(少々強引にだが)フォックスの中に指が一本おさまった。
「…っぃ…痛っ…ッ」
ぐにぐにと中で指を曲げたり出し入れされたりする。そのたびにフォックスは辛さを耐えるような呻きをあげた。
「いいとこに当たったらうなずいてみろ」
ウルフがそう言う。
女じゃあるまいし、いいところなんかあるはずがない。フォックスは苦痛感を必死になって脳内で誤魔化し、目をつぶり続けた。
「…ぐ…ぁ……ぅぅ…ッ」
指が二本に増やされ、重なる圧迫感にハッハッと短く浅く呼吸を繰り返す。
「も、もうイヤダ…!止めてくれウルフ…ッ」
涙混じりにそう懇願するが、ウルフはまったく聞く耳を持たない。
と、ウルフの体がすっと横に動き、ベッドの横にある小さな棚に手が伸びる。がたんと音がしてウルフが取り出したものは何かの液体が入った小瓶だった。
その小瓶を目を見開いて見つめるフォックスに笑って言う。
「ただのローションだ」
女と違って濡れねぇからな。
そう言ったウルフはローションをフォックスの性器に垂らす。垂れたローションはそのまま穴までたどり着き、そしてまたもやウルフは指を二本突っ込んできた。
「イヤダって…言ってるだろっ…ッ」
何とか強めの口調で抗議するが、ローションで滑りがよくなった尻の穴の中をぐにぃと二本指で広げられるたびに息を呑み、言葉を失う。
数分かけて広げられたところでウルフはつぶやきながら指を抜いた。
「…てめぇのいい所は結局わからずじまいだったが、これぐらいほぐれりゃもういいだろ」
その言葉と共に大きな亀頭が入り口に押し当てられた。押し付ける勢いがありすぎたのか軽く中にめり込んでくる。
強い圧迫感に、ひっと息を呑んだフォックスは必死になって懇願した。
「お、お願いだゥルフっ…!!それだけは止めてくれ…ッ!」
「あぁ…?何言ってんだ。止めるわけねぇだろ…!」
ウルフの興奮したような息の根が聞こえる。
両足を苦しくなるほど押し曲げられる。必死に躍起になって両手の拘束をはずそうとするが、一向に外れる気配はない。
ウルフが自分の逸物にも押し付けたままローションを垂らし塗り伸ばすのが眼に入った。
そうして、ずにゅ、と。
ウルフの先端がじりじりと押し広げるように捩じ込まれてきた。
「か、はッ…!……ひぅぐぅ…ぁぁ…ッ」
呼吸が止まるかと思えるほど長い挿入。ぴっちりと中の皴一本一本まで伸ばされていくかと思えるほど太いウルフの肉棒が。
「…ッぬ、っけ……っ抜いて…ッくれ…ッッ!」
苦痛に涙と涎を流しながら懇願する。そのフォックスの言葉に、ウルフは軽く口角を上げ、さらに奥へと己を捩じ込んだ。
これでもかというほどローションを使ったせいかぬちゅちゅと勢いづいて入り込む。
完全にフォックスの中に己が納まると、ウルフは満足そうにフォックスの腹を撫でた。その下にいるであろう自分を確認するかのように。
たかが数十センチ相手の領土を侵すこの行為が、どんな書類上で交わされた結びつきよりも喜びで満たされる。
「ひ、ィ…ッぃっ…痛い…っ痛い…ッ」
フォックスはボタボタと涙を流してウルフを見た。
その涙をウルフは舌で舐めとる。その行為にフォックスは一瞬ぽかんとウルフを見上げた。何だ今の恋人にでもするような仕草は。
ウルフはフォックスが一瞬、ぽかんとした事で体の力を抜いた事がわかり、腰をなんの予告も無しに勝手に前後に動かし始める。
「ッヒっ…ぃ…ぁアアッっ!」
ローションの効果も相まってか、ぬち、ぬち、ぬちと肉同士が粘着質な音をたてるのが聞こえた。
いま、目の前のこいつを犯していて。こんな涙に濡れさせていて。俺の下で泣き叫び喘いでいて。
そう思うだけで堪らなくなり、しばらく揺さぶったところで軽くフォックスの中にウルフは精を注ぎ込んでいた。
「ぅ…ぐッ…っ」
「!?イヤダっぅぁ…ァあっ…ッあ!」
たっぷりと時間をかけてフォックスの中に射しきると、まるで棒で壷の中身を突くみたいにくちゃぐちゃと小刻みに腰を動かして精液を注いだ坑道を捏ねた。
それから、ぬるる、と精液に濡れたペニスを引きずり出す。
「…っゥァぁ…ッ」
排泄物が出て行くようなわずかな不快感と多くの快感がそこに生まれて思わず声を漏らした。そしてまた深く突きこまれる。
ウルフは息も荒く笑いながら言った。
「…っさすがにこれだけ…ぐちゃぐちゃになって、りゃ……っ痛くはねぇだ、ろ…っ」
そう言ってさらに激しく揺さぶってくる。腰をつかまれ抵抗のすべがないフォックスは喘ぎながら涙を流した。
耳に噛み付いてくるウルフの口が、フォックスの耳元でつぶやいた。
「あんな女狐に…渡してたまるか…」
「…っぅ…!ぅっああ…ッ?」

今なんと言ったのか。

あまりにも小さな呟きはよく聞こえず、フォックスは恥辱に濡れた目でウルフを見た。
目が。すっと合う。そしてそのままウルフが口を重ねキスをしてくる。フォックスはそれを噛み付くでもなくありのままに受け止めてしまっていた。
「っア、ぐ…ッィっあ…っ!」
揺さぶりながらウルフは今日一番優しい声でフォックスに言う。
「…俺の名前…呼んでみろ」
「…ッ…っあ…?」
「一度でいい」
涙でぐしゃぐしゃになって見たウルフの顔はなんだかよく分からない表情をしていた。
その奇妙な表情に、フォックスの口は思わず動いていた。
「ぁ…………………ル……ウルフ…」
名前を呼んだ瞬間ウルフはふっと一瞬だけ笑い、言った。
「…イクぜ…っ」
「ッえ?――ぁっぁッつぃ…ひッはぁぁ…ッ!!!」
言うと共に一際強く突かれ、最奥でビクンとウルフが跳ね、濃厚な欲液を吐露される。
もっと奥まで注ぎ込みたいとでも言うかのようにウルフはピッタリと腰を密着させ、フォックスを犯したのだった。



************



事が済むと、ウルフはゆっくりとフォックスから体を離した。
それと同時にフォックスの秘部からは、とろけるようなウルフの精液が糸を引いてこぼれおちる。
手は縛られたまま。流した涙も乾き切らないフォックスは、放心したように天井に目を向けている。
そんな状態のフォックスを見て、ウルフは胸が熱くなるほど満心を得た。

きっと、憎まれるのだろう。
でももうそれでもかまうものか。

ゆっくりと身を寄せ、フォックスの顔の横に手をつく。ベッドがウルフが動いた重みでぎしりと鈍い音を立てた。
涙を流したまま放心しているフォックスにそっと唇を寄せ、ゆっくりと重ねた。
そのまま恋人にでもするみたいに唇を吸う。
すると、それまで黙っていたフォックスが、泣き叫び過ぎたのか枯れた声でぽつりとつぶやいた。
「………ルフは……こんな、こと…………しな…」
目はいまだ涙を流し天井を見たまま、否定の言葉をつぶやく。
それは先ほどまでの強姦に対してだろうか。
「そうだな」
ウルフも同じようにつぶやいた。
「以前までの俺だったら、そうだったかもな…」
そう言いスッとベッドの上から体をおろす。
フォックスの腕の紐に手をかけほどき取る。右手左手と紐を外されたフォックスは無意識のうちにウルフの事を見た。
「…もう寝ろ」
そうとだけつぶやくとウルフは部屋にロックをかけ、フォックスを一人残し部屋を出ていく。
部屋の中で、フォックスの泣き声が響き始めた。

きらいじゃなかった。ライバルとして何かしらの友情のようなものすら感じていたのに。
ウルフはそうではなかったのか。自分だけだったのか。

ぐるぐると同じ問答を頭の中で繰り返しながらフォックスは泣いた。
信じられるライバルだと思っていたのに。





深夜。
フォックスは暗闇の中、目を開けた。
宇宙のかすかな光と、ルームランプのぼんやりとした光だけが自分の身体を照らす。
いつのまにか自分の残った服は脱がされ、白いシャツが一枚だけ着せられている。ウルフが着せたのだろうか。
自分の頬は、流した涙でパリパリに乾いていた。
ベッドの上はいまだ先ほど行われたウルフとの行為の跡が生々しく残っており、自分の体中からナニかが乾いてパリパリと剥がれおちる。
逃げなくてはと思いつつ、フォックスはぼんやりとそれを眺めながら、自身の腹を押さえた。
「おなか…いた…」
暴れた事で体中が痛みを訴えているのはもちろんの事、腹の痛みが異常だ。
ゴロゴロと鈍痛が頭へと這い上がってくる。
助けを求めるなど、と思い、じっとベッドの上で体を丸め耐えていたが、我慢できそうにない。
フォックスはよろよろとベッドの上から這うように降りた。
先ほどウルフが出て行った出入り口の横に、壁に備え付けてあるビジョン式の電話らしきものがあるのが目に入った。
番号を押すはずのボタンが見当たらない。
しかたなくフォックスはそのまま受話器を取った。どこか、せめて下界にでも通じてくれる事を祈りながら。
数度の呼び出し音の後、低い男の声が耳元で響いた。

「なんだ」

間違いない。ビジョンに映し出されている顔はウルフだった。
びくりとフォックスは身体をこわばらせる。この電話はウルフにしか通じないのだと、フォックスは一瞬にして悟った。数秒黙りこくった後、ゆっくりと口を開いた。
「……腹が…痛いんだ」
画面内のウルフは、ああなるほど、というような顔をし、立ち上がり、画面の中から姿を消す。
「え?ちょっと、ウルフ」
受話器へ向かって声をかけ続けてもそれきり受話器はうんともすんとも言わなくなった。
と同時に、部屋のドアが開き、黒い私服を着たウルフが部屋の中に姿を現した。
「来い」
短くそう言うと、ウルフは部屋の外にあったトイレへフォックスの手を引き連れて行く。そしてそのままフォックスをトイレの中へ押し込んだ。
「な…」
「すんだら出て来い」
すんだら、とはトイレをすませろと言う意味だろうか。
しばらくフォックスは服の端をぎゅっと握ったまま、便座の中を見つめ続ける。

たしかに腹は痛い。トイレはしたい。でもなんでこんな…

フォックスは涙が滲みそうになるのをこらえ、そそくさとトイレをすませて出てきた。
トイレの前ではウルフが腕を組み、仁王立ちして待っていた。
「も、いいよ…だいぶ痛くなくなったから……」
なにより自分は今シャツ一枚しか着ていないのだ。誰かにこの現場を見られたらと思うと、一刻も早く部屋に戻りたかった。
ウルフはそうかと静かに短く言葉を発すると、またフォックスの手を引き、先ほどの部屋の中にフォックスを放り込んだ。
そして自分までも部屋の中に入ってくる。扉のロックをかけるピーという音が静かな部屋の中に響き渡った。
「ウルフ!もう痛くないからいいって――」
あせってフォックスが口を開くと、ウルフは低い声で短く伝えてきた。
風呂に入れてやると。
なにを、と口を開きかけた瞬間、ウルフが強くフォックスを抱え上げた。
「やめっ」
「うるせえ」
フォックスの抵抗の言葉を一蹴に伏せると、部屋の隅にある扉までズカズカと歩いていき、その扉を片手で開けた。
扉の中は備え付けの風呂だった。ご丁寧に二人ぐらいなら入れそうな大きさの。
サー…とフォックスの血の気が引く。

まさかまたするのか?

ウルフはフォックスのボタンを撥ね飛ばす勢いでシャツを脱がせながら、口を開く。
「…中にたっぷり出したからな。それで腹を壊したんだろうよ。洗ってやる」
それを聞いたフォックスは一気に顔を赤くしながら固まる。
たしかにウルフに犯された時、中へ何度も出された。それで腹が痛くなると言うのか。
――逃げ出したい。切実に。
赤くなるやら青くなるやらで忙しいフォックスの顔を見て、ウルフは悪い笑みを浮かべて言った。
「これから何度でも同じように中に出してやるんだ。慣れろ」
冗談ではない。そんな事。
「ウ、ウルフ…さっき俺はトイレに行ったんだ、だから、その、いいよ洗わなくても」
自分で風呂なら入れると言うとウルフはフォックスの耳元へ口を寄せてきてささやいた。
「まだ中にこびりついてるかもしれねぇだろ…?」
おとなしく洗われてろ。
そう言って身を寄せてきたウルフの立ち姿。
骨格と筋肉が絶妙にバランスをとった体と、それを押し包む濃黒の私服。数時間前まで自分を抱いていた事を思い出して、フォックスは縮こまる思いをしながら抵抗しなくなった。
抵抗が無駄だと悟ったと言う方が正しい。
いつか隙をついて脱出するタイミングを計るしかない。フォックスはそう考えながら黙りこんだ。
フォックスが黙りこんだことを了承と受け取ったウルフは、フォックスを完全に脱がし終えると、自らも服を脱ぎ始める。
あわててフォックスは口を開いた。
「!?なんでウルフまで脱ぐんだ…ッ?」
「…おまえ、服着たまま風呂にでも入るのか」
ウルフが眉をひそめて言う。
またもやフォックスは黙りこむしかない。
なぜ自分を強姦した男と一緒の風呂に入らなくてはならないのか。
殴り返される事を覚悟の上で、こっちから殴りかかってみようか。今の自分には手枷はない。
だがフォックスには気にかかっている事があった。
それは、行為中にウルフがつぶやいた言葉と、行為後にしてきたキスについてだ。

――あれはいったいどうゆう事なのだろう。まるで愛しむみたいな…。
ウルフは自分に対してそう言った感情を持っているのだろうか…。
された事は全くの正反対の事だったけど、あれはいったい…。

そうぼんやりと考えているうちに、ザーと全身にシャワーを当てられる。
考えがまとまらなくて、ウルフをじっとみるとウルフはいたってごくごく普通にしている。
また何かしてくると言う気配がないのだ。
ウルフがつぶやいた。
「切れたか?」
「え…?」
何がだろう。
「ケツは切れちまったかって聞いてんだよ」
「あ……多分平気だけど」
思わず素直に答えてしまった。
そうかと短く返事をしたウルフは軽い口調で言う。
「こっちケツむけろ。今からシャワーで中に湯を入れて洗い流すからよ」
「!?」
フォックスは大きく目を見開く。
「早くしろ」
「いやだ」
「ああ?」
「なんで俺がそんな事――」
ウルフが酷く悪い顔で笑みを作った。
「また力づくでされてぇのか」
「――…」
自分とウルフのマーシャルアーツの差はいたって簡単。自分は一瞬でねじ伏せられる事はわかっている。
フォックスは恐る恐るウルフに向かって背を向けた。
四つん這いになれと軽く小突かれる。羞恥心を押し込み、綺麗になれるのだと自分に言い聞かせてフォックスは四つん這いになった。
そうすると自然とまた腸内に残っていたウルフの精液が流れ出てくる。
「…ッ」
それを見たウルフはひどく嬉しそうに笑いながら、シャワーのヘッドをひねって外し、ホースのような状態にした。
それを湯が出ているままフォックスの尻の穴にあてがう。
「ひっ」
「そのまま飲み込め」
暖かい湯が腸内の中へ一気に流れ込んでくる。フォックスは泣き声を上げた。
「いっいたい痛いウルフッ!」
フォックスの泣き声を聞いたウルフはシャワーの先端をはずし、出してみろと声をかけた。
「…ッ…んん」
言われなくても、と涙がにじむ目で思いながら、フォックスは下腹部に力を入れた。
一気に腸内へ流れ込んだ湯が流れ出てくる。
それを繰り返しウルフはおこなってきた。そのたびに苦痛は減っていったし、徐々に自分の腸内が綺麗になっていくのをフォックスは実感した。
十数回それを繰り返したところでウルフが風呂場の洗面台にあらかじめ用意されていた塗り薬に手を伸ばす。
それをいきなり尻の中に塗りたくられる。
フォックスは抵抗の声を上げると、ウルフがなだめるように声をかけてきた。
「ただの軟膏だ」
フォックスはきょとんとする。
まさかウルフが己の身体を気遣ってくれるとは。思ってもいなかった。
そして処置が済むとウルフは風呂場から出ていってしまった。
フォックスは安堵した。本当に洗うだけで、特に酷い事はされなかったと安堵の息をついたのだ。
風呂場の外の部屋の中からウルフが声をかけてくる。
「今度こそ寝ろよ」
そしてやはりというか、部屋にロックをかけて出て行ってしまった。
なんだ、ウルフ、もう強姦みたいな事をする気は失せたのだろうか。それなら良かった、あとは逃げ出す手はずを考えるだけだ。
不当な暴行を受けないのならば、こんなにも喜ばしい事はない。
そうフォックスは考えた。考えてしまったのだった。




部屋をでたウルフは、一人つぶやいた。
「…本当に、無防備な奴だな」

なんて無防備で加虐心をあおる愛しい生き物なのだろう。
自分が、欲情される側の生き物だと自覚していない。もう何もされないと思っている。
いまだに俺の手の中から逃げられると考えている。この俺がそこまで酷い事はしないと思い、信じているのだ。

「逃がすかよ…」
無理矢理でも俺の物にしようと決めたのだ。逃げられないように縛って閉じ込めて。とことん犯しぬいて、俺無しでは生きられない体にすると。
さて、どうしてやろうか。
ウルフの低いつぶやきが、コロニーの廊下に消えいるように響いていった。
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璽聖
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自己紹介:
ケモノを心から愛す。ケモナー。だが人間も心から愛す。ドラゴンとか爬虫類とかも好き。
つまりはどれもうめぇ←
脳内で考えていたことがそのまま絵に現れてくるので、奇奇怪怪な絵を描くことがある。
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