事故りました。
でも生きてます。
家にたどりついてから自分の心臓を確認して、なんだかフワフワした気持ちで自分の鼓動を聴いていました。
神様はとても素敵な人は自分のすぐそばに置いておきたいから早くに連れて行ってしまうんだと、だから俺は大丈夫なんだと一人言ちていました。
なんだろ。
何から書けばいいかな。
とりあえずテンパって何を思ったのか心臓を描いたが、なんだこりゃ。
ええと…
朝、家を出て、仕事場に向かいました車で。
それで道を走っていたら道の端であばあさんが立ってこっちを見ていました。
何度も何度も確認して、俺の車が来ているのも見ていたそうです（後から聞いた事によると）
でも俺の車が通り過ぎるまでに３秒もない瞬間、トトトトトッと、おばあさんが俺の目の前を横切ろうとしました。
ものすごくそれが俺にはゆっくり見えた。
トトトと歩いて、そして道の真ん中で立ち止まった。
おばあちゃんはこっちを見てた。
おっきな目で見てた。
俺もそれを見た。
１秒の間にものすごい量の想いと考えが頭を廻った。
轢く。間にあわねぇ。なぜ。なんで出てきて。止。目が。かあさん。ハンドルを。ブレーキ。俺は。いい。轢いてしまったら。俺が死ななくとも。俺の心が死ぬ。こっちに。道を。左に行く。縁石。知るか。乗り越えろ。スリップした。駄目だ。知るか。ハンドル。車が。廻る。とうちゃん。耳が聞こえねぇ。頭廻る。おばあちゃんが。当たってない。目が。大きな目だ。
それで、気がついたらおばあちゃんを急ハンドル急ブレーキで避けて、左の畑の中に突っ込んで停止していました。
ハンドルが手のひらに吸いついたようになっていました。
タイヤのホイールが吹っ飛んで行くのが見えた。
急いで車の外に出ると、おばあちゃんが心配そうに俺の所にやってきた。「だいじょうぶかい」「ごめんよ」と繰り返していた。俺も同じような言葉を繰り返していた。
それでいそいで警察と車会社に連絡を入れて来てもらいました。
警察のおじさんは忙しい朝だったのにすぐに駆けつけてきてくれて、そしてとても優しかった。
おばあちゃんはぶつかる事もなく元気でした。
俺は頭と肩をぶつけちまったけど頑丈なので大丈夫です。
３０分ほどで調査と検証が終わって、家に帰る事になりました。仕事は休みました。
おばあちゃんは渡れるだろうと思って出てきてしまったとのこと。
車は修理に出すことになりました。
俺も修理に出す事にならなくてよかった。
車怖い。
今日改めて走る凶器とはこれの事をいうのだと実感した。仕事場にはしばらく電車通いになります。
おばあちゃんにぶつかっていないので、人身事故ではなくただの対物事故ということだそうです。
俺、殺人犯にならなくて本当によかった…
家に帰って自分の心臓を確認して泣きました。
生きていることに泣きました。
大丈夫。
しばらく気持ちがフワフワして変な行動とるかもしれないけど、「時間がたてばしっかりとした状態に自分が戻るから」と警察のおじさんがいていたもの。大丈夫。
日記に書いたら頭の中がまとめられて、すこしまともな頭になったような気がします。
修理代が自腹確定なので、年末に沢山の買い物はできなくなってしまったな…ああ